26081 尚古集成館監修薩摩ガラス工芸 復元薩摩切子　色被せガラス切子向付鉢

高さ　7.3cm　　 　　
径　10.8cm

尚古集成館が監修する薩摩切子は、江戸時代末期に薩摩藩で作られた「薩摩切子」の技術を復元したものです。薩摩切子は、透明なガラスの上に色ガラスを厚く被せ、その色ガラスにカットを施すことで、独特のぼかしや美しい輝きを生み出すのが特徴です。現在、薩摩ガラス工芸株式会社が薩摩切子のブランド名「島津薩摩切子」として、かつて作られていた鹿児島市磯の地で製造している、歴史を受け継ぐ正統な窯元です。

薩摩切子の歴史
薩摩切子は、第10代薩摩藩主である島津斉興によってその製造が始まり、11代藩主の島津斉彬の時代に集成館事業の一環として発展しました。最盛期には100人以上の職人が働いていたと記録されており、斉彬自身も薩摩切子を愛用し、篤姫が嫁ぐ際の品としても用いられました。しかし、斉彬の死去や幕末の動乱、薩英戦争による工場の被害などにより、明治初期にその技術は一時途絶えてしまいました。約100年の時を経て、島津家によって薩摩切子の技術が復元され、現代にその輝きが蘇りました。

色被せガラスと「ぼかし」の技法
復元薩摩切子の大きな特徴は、「色被せガラス」と、それによって生まれる「ぼかし」と呼ばれる色のグラデーションです。

色被せガラス：透明なガラスの上に色ガラスを厚く被せる技術です。当時、この技術を持っていたのは全国で薩摩藩だけでした。

ぼかし：厚い色ガラスの層を削る際、削る深さや角度によって色の層が薄くなり、美しいグラデーションが生まれます。この「ぼかし」が薩摩切子ならではの温かみと繊細さを表現しています。
素材：薩摩切子は高い透明度と光の屈折率を持つクリスタルガラスで作られています。光に当てると虹色の輝きを放ちます。

薩摩切子の色彩
薩摩切子の伝統色は、紅、藍、緑、黄、金赤、島津紫の全6色です。これらの色は、原料となる鉱物と温度管理によって生まれます。最近では、二色の色ガラスを重ねる「二色被せ」の技法も開発され、さらに多様な色彩が表現されています。色によって価格が異なる場合があり、これは色の発色に必要な原材料の違いなどが理由です。