コレクション: 三輪寿雪[11代休雪]

山口県萩市に生まれ、萩焼の名門・三輪家に連なる陶芸家です。9代雪堂の三男として育ち、兄である10代休雪(休和)のもとで修業を重ねました。さらに1941年には千歳山窯で川喜田半泥子に師事し、その精神性から大きな影響を受けています。

1955年に「休」と号して独自の作品発表を始めるまでの約30年間は、三輪窯を支える下職として基礎修練に没頭しました。「休」の号には、兄に敬意を払い自らを半人前と謙遜する思いが込められていました。1967年に11代三輪休雪を襲名し、その後は萩焼に革新をもたらす存在として歩み始めます。

伝統を受け継ぎつつ斬新な造形感覚を取り入れ、「休雪白」や「鬼萩」、「割高台」といった作品は、茶陶の概念を超えてオブジェのような存在感を放ちます。重厚さと奔放さを併せ持つ独特の休雪様式は、因習にとらわれない新風を茶陶の世界にもたらしました。

その功績は高く評価され、1983年には重要無形文化財(人間国宝)「萩焼」の保持者に認定。 兄とともに史上初の兄弟人間国宝という快挙を成し遂げ、日本現代陶芸界における重鎮としての地位を確立しました。晩年は「壽雪」と号し、萩焼の伝統を現代に生かし続けました。

11代三輪休雪の作品は、伝統の美と革新の精神を兼ね備え、現代陶芸の中でも特別な存在感を放っています。