コレクション: 金城次郎

1912年、沖縄県那覇市壺屋に生まれた金城次郎は、幼い頃から壺屋焼に親しみ、12歳で陶工の道を歩み始めました。戦後は沖縄の焼き物復興に尽力し、1985年には沖縄で初めて重要無形文化財「琉球陶器」保持者(人間国宝)に認定されています。

金城の作品を象徴するのが、魚や海老をモチーフとした文様です。魚紋は子孫繁栄を願う縁起の良い柄として古くから親しまれ、とりわけ「笑う魚」と呼ばれるユーモラスな表情は、彼の器を代表する意匠となりました。

日常使いの器に美を見いだし、壺や茶碗、抱瓶などに浮彫りや指描きの技法で魚や海老を表現。素朴で力強く、同時に温かみを感じさせる作品は、民藝運動に携わった濱田庄司や河井寛次郎からも高く評価されました。昭和42年には沖縄タイムス芸術選奨大賞を受賞し、沖縄陶芸界を代表する存在として広く知られるようになりました。

沖縄の自然や暮らしを映し出す金城次郎の器は、暮らしの中で使われながらも芸術性を宿し、今もなお多くの人々を魅了し続けています。