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25721 十三代 今泉今右衛門(色鍋島薄墨露草文額皿)
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径 32.4cm
鍋島は、江戸時代に佐賀・鍋島藩において発展した、緻な技術と和様の意匠を特徴とする色絵磁器です。将軍家への献上や公家・大名などへの贈答のために制作されたもので、藩で窯を経営し、品質は厳しく管理され、一般に流通することはありませんでした。今泉今右衛門家は鍋島藩の藩窯で、代々御用赤絵師として色絵具の調合、絵付け、色絵の焼成を行っていました。
明治維新の廃藩により 1871(明治4)年に藩窯が廃止されると、十代今右衛門は素地づくりから焼成まで色絵磁器の一貫生産に取り組むようになりますが、色鍋島の優品を完成させるまでには十代(1848-1927)、十一代(1873-1948)、十二代(1897-1975)と三代にわたる長い年月を要します。そこには、明治維新、世界恐慌、第二次世界大戦という動乱の時代に伝統技術を継承し、その発展に尽力した苦難の歴史がありました。そして 1970(昭和45)年、十二代は「色鍋島技術保存会」を結成し、翌年、同会は重要無形文化財の総合指定を受けるまでに至ります。
十三代は、色鍋島の伝統を継承するとともに、伝統に一作家としての個性を求めつつ、現代における色鍋島を追及しました。そして確立されたのが「吹墨」「薄墨」の技法です。「吹墨」は、初期伊万里の染付技法から想を得て、器の表面全体に青く呈色する呉須を濃淡を付けて吹き付ける技法で、白磁の白い肌よりも上絵具が映え、文様表現に効果をもたらしました。また、「薄墨」は「吹墨」を発展させ、薄い墨色を吹き付けるもので、染付の青に赤、 黄、緑の上絵具で構成するという、色鍋島の概念を打ち破る大胆な発想でした。文様表現における効果も吹墨より高く、品格と柔らか味のある薄墨は十三代独自の技法として高く評価されています。 十三代は1989(平成元)年に個人として重要無形文化財「色絵磁器」保持者に認定されました。