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商品番号: SKU:25118

25118  福島善三 中野月白瓷ぐい呑 FUKUSHIMA Zenzou

25118  福島善三 中野月白瓷ぐい呑 FUKUSHIMA Zenzou

売約済

高さ 6.3cm

径 6.6cm

福島善三の中野月白瓷の肌合いに、暮れそうで暮れない白夜の北欧の空を見た。早い夜ではない、深夜の空の色だ。少し暗いところで見ると、スウェーデンの海沿い の町の、寒そうな冬の雲の色にも見えた。明るいようで明るくない、暗いようで暗くな い、冷たそうなのに柔らかく温かい。深い不思議な色だ。

この中野月白瓷は、福島の青磁への憧れが発端だ。 小石原の土は鉄分を含み、粒子が粗い。有田のような磁器の陶土が画用紙だとすると、小石原の土はボール紙だという。「薄い色の釉薬をかけても、きれいに出ない。白い粘土には敵わないんです。だから、鉄をかけて深い色にしようとする」。

中国には月白釉という ものがあって、西安でその破片を見たことがあった。 そのとき、青磁ではなく、月白釉ならいけるかもと思う。中国では大豆の灰を使っていた のをヒントにして、「小石原のワラ灰を使ってみよう」と思う。それにより、「ワラ白といって、黒い部分が緩和されて乳濁するんです。それが月白瓷の嚆矢でした」。 同じワラでも、もみ殻灰なら青みが出る。ならば、「鉄分を含む小石原の長石を使ったら 青みが出るかなと」。そこからは試行錯誤の繰り返しだった。「いきなりできるわけじゃないんです。狙っているものがあって、苦し紛れにやってるうちにできてくる」。


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